資料は語る2022―資料で読む「東京文学誌」/文学者の海外体験
2022年度の講座「資料は語る」を4月より開講いたします(後期:9月開講)。
今年度の前期は、昨年度に引き続き、「資料で読む『東京文学誌』」というテーマで、東京ゆかりの文学者や文学作品をとりあげます。
また、後期は、「文学者の海外体験」というテーマで、外国へ出かけるのが難しい今こそ、文学者の海外へのまなざし、海外からの展望をあらためて振り返ります。
前期・後期各3回で、それぞれのテーマに造詣や関心の深い研究者の先生をお招きします。会場には各回の内容に関連する貴重資料を展示し、講師の先生方にはこれらの資料を用いながらお話をしていただきます。
なお、開催予定に変更が生じた場合は当館ホームページでお知らせいたします。
会場:日本近代文学館ホール
前期 資料で読む「東京文学誌」
芥川龍之介「雛」の銀座「煉瓦通り」―「紺珠十篇の中」という懐かしいお話から小説へ
日時:2022年4月16日(土)
講師:庄司達也 横浜市立大学教授
芥川龍之介の「開化期もの」の秀作「雛」を、「明治」と題された未定稿を傍らに置いて読み解きます。明治初頭の「銀座」を舞台とした、「開化」に翻弄された家族の物語です。
夏目漱石 ― 作品に描かれた東京市外
日時:2022年5月21日(土)
講師:中島国彦 早稲田大学名誉教授
山の手に住んだ漱石は、作品に東京の市外を何度か登場させている。漱石書簡をみると、宛先の門下生の住所には、東京市外も多い。「三四郎」「こゝろ」関連資料などを通して、漱石における東京市外の持つ意味を考える。
三島由紀夫「鏡子の家」の東京とニューヨーク ― その光と影
日時:2022年6月11日(土)
講師:井上隆史 白百合女子大学教授
「現代青年の物語を書くことによって、現代の壁画を描こうと思った」として三島が世に問うた『鏡子の家』(昭和34年刊)。「雪解け」と呼ばれる冷戦緩和期の日本と世界の一断面を鮮やかに描いた問題作の創作の秘密を探ります。
後期 文学者の海外体験
川端康成ノーベル賞授賞式の旅―「美しい日本の私」
日時:2022年9月17日(土)
講師:片山倫太郎 鶴見大学教授
川端康成は1968年ノーベル文学賞を受賞し、スエーデン・アカデミーで記念講演「美しい日本の私」を行いました。一連の経緯を原稿、書簡、エピソード等を紹介しながらお話しいたします。
森鷗外の滞独時代―『日本からの手紙』にほの見える〈日本への手紙〉―
日時:2022年10月15日(土)
講師:須田喜代次 大妻女子大学名誉教授
現在、滞独時代の鷗外に宛てた家族等の書簡・全二七二通は全て手軽に読むことができるようになりました。その『日本からの手紙』の記述からほの見える滞独時代の若き鷗外森林太郎の姿を追ってみたいと思います。
深尾須磨子のヨーロッパ紀行―「滞欧日記」を読む
日時:2022年11月19日(土)
講師:和田博文 東京女子大学教授
深尾須磨子は1939年3月から1年近く、日独伊親善協会の「詩の親善使節」としてイタリアに赴いた。深尾のヨーロッパ紀行を、『旅情記』や女性教養誌『むらさき』の掲載記事、日本近代文学館所蔵の日記や新聞記事、『日伊文化協定』、さらに日本人美術家のイタリア体験や、満鉄の対外宣伝誌『FRANCE-JAPON』と連動させ、立体的に読み解いていく。
※開催時間はすべて14:00~15:30
受講料・申込方法
受講料
各回2,200円(会員2,000円)
全期間券・3回券の販売はおこないません。
申込方法
メール・おはがき・ファックスで下記の宛先へ
①お名前 ②ご住所 ③電話番号 ④受講希望回
を明記の上、講座前日までにお申し込みください。
定員に達した場合は、当館ホームページでお知らせいたします。
受講料は講座当日に正面受付でお支払いください。
・メール
kataru☆bungakukan.or.jp
☆を@に代えてください
・おはがき
〒153-0041
東京都目黒区駒場4-3-55
日本近代文学館 「資料は語る」係
・ファックス
03-3468-4185
また、お電話(03-3468-4181)でもお申込を受け付けます。
新型コロナウイルス感染拡大防止のためのお願い
・受講の際は必ずマスクをご着用ください。
・入室前及び退室後には、石鹸による手洗い/アルコール消毒液等による手指消毒の徹底をお願い致します。
・咳エチケットの徹底をお願い致します。
・講義中の窓開けによる換気等の感染対策を実施致します。
感染状況によりやむをえず講座を中止する場合は、ホームページでお知らせいたします。