舞台裏から見る文学
後期:9月21日、10月19日、11月16日
*2019年度の講座「資料は語る」は全プログラムが終了しました。
所蔵資料を中心に扱う文学講座です。貴重資料の特別公開もあります。
日本近代文学館蔵の所蔵する貴重な資料もご覧いただきながら第一線で活躍する研究者のお話をうかがいます。2019年度は原稿・書簡など遺された資料から近代の文学作品が生み出された“舞台裏”を見つめる全6回。開催予定の太宰治展(2019年4月6日~6月22日)にちなみ同展の見どころをご紹介し、また9月には伊藤整展(9月21日~11月23日)にちなんだ講座も準備しました。
会場:日本近代文学館ホール
前期
鷗外晩年の憤り―賀古鶴所宛書簡を読む
日時:4月20日(土) 14:00~15:30
講師:山崎一穎 跡見学園理事長・津和野 森鷗外記念館館長
鷗外は「礼儀小言」で、礼に於ける意義と形式の乖離を問題とした。その先に国家の大礼を見据える。賀古鶴所宛書簡を通して、政治体制、天皇の謚(おくりな)、元号、即位式を論じる。
太宰治・創作の舞台裏―生誕110年展のみどころ
日時:5月18日(土) 14:00~15:30
講師:安藤宏 東京大学教授
会期中の「太宰治生誕110年・創作の舞台裏」について、展示中の資料の解説を交えながら、太宰治文学の魅力、注目すべきポイントを浮き彫りにしていきます。
三島文学形成と〈死〉の影―東文彦宛書簡をめぐって
日時:6月8日(土) 14:00~15:30
講師:松本徹 作家・評論家
学習院で5歳上の東文彦作品集を、三島は自決直前、まとめて刊行の労をとっている。その東が昭和18年に病死する直前まで書き送った大量の手紙に、三島文学の形成の一端をさぐる。
後期
笑いで戦う伊藤整―『伊藤整氏の生活と意見』
日時:9月21日(土) 14:00~15:30
講師:武藤康史 評論家
チャタレイ裁判の進行中に書かれた『伊藤整氏の生活の意見』。これは法廷戦術の延長として、読者を笑わせようとして書いたと著者は語っていたけれども、その原稿には苦渋のあとが……。
葛藤にこそ光を―与謝野晶子の心の軌跡
日時:10月19日(土) 14:00~15:30
講師:今野寿美 歌人
大正期の晶子は葛藤のうちにあった。夫婦の悶着が絶えない。それを包み隠さず歌に織り込む。しかもその数々を揮毫して残した。天晴だ。加えて書簡には異性への敬意と慕情をしのばせる。豊富な資料に晶子の心をたどりたい。
『吾輩は猫である』の頃 ―「時機が来てゐたんだ」
日時:11月16日(土) 14:00~15:30
講師:長島裕子 秀明大学客員教授・早稲田大学非常勤講師
明治38年1月、帝大の教え子たちは、英文学者の夏目金之助が小説家に姿を変える現場を目の当たりにして驚いたという。小説家漱石が誕生する舞台裏を探りたいと思います。
受講料・申込方法
受講料
全期間(6回)10,300円(会員9,300円)
前期または後期5,200円(会員4,700円)
1回のみ2,100円(会員1,900円)
※チケット送料は当館が負担いたします。
申込方法
(現金書留)
便箋・メモ用紙等に住所・氏名・電話番号および受講期間(1回の場合は希望月も)を明記の上、受講料とともに、
〒153-0041 目黒区駒場4-3-55 日本近代文学館「資料は語る」係へお送り下さい。
(郵便振替)
通信欄に講座名「資料は語る」と受講期間(1回の場合は希望月も)を明記の上、下記の口座へ受講料をお振込み下さい。
口座番号:00140-0-47730 口座名:公益財団法人 日本近代文学館
※定員に達しない場合、当日券を販売いたします。
下記フォームから資料請求が可能です。講座チラシと郵便振替用紙をお届けいたします。