文学・青春
編集：池内輝雄・曾根博義・黒井千次
伊東静雄（右）と辻野久憲肖像（昭和9年、大阪の伊東の家の前で）
昭和という激動の時代に、文学者たちはいかに青春を生き、いかに青春を描いたのか。
館蔵資料を通して昭和の名作を紹介し、彼らの青春群像を浮かび上がらせます。
部門構成と主な出品資料
第１部 昭和戦前（編集：池内輝雄）
《前衛芸術の青春》
・横光利一「悲しみの代価」草稿
・川端康成「伊豆の踊子」関連資料
・片岡鉄兵の初期詩稿
・尾崎士郎、中河与一、三好達治書簡など
横光利一「悲しみの代価」草稿（横光死後発表された初期作品。最初の夫人との恋愛体験をもとにしている。横光の旧友、川端康成から当館に寄贈された）
《思想の青春》
・葉山嘉樹「獄中記」創作ノート
・小林多喜二「蟹工船」原稿
・佐多稲子「素足の娘」関連資料
・中野重治書簡など
《小林秀雄・中原中也たち》
・中原中也「凄じき黄昏」（『山羊の歌』所収）草稿
・大岡昇平「在りし日の歌―中原中也の死」原稿など
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- 中原中也肖像
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- 長谷川泰子宛中原中也書簡（小林秀雄のもとへ去った恋人への手紙 昭和3年8月7日）
《さまざまなモダニスト》
・辻野久憲と加藤よし子の「交換日記」
・伊東静雄「故辻野久憲君の記念に」詩稿
・高見順の学生時代のノート
・伊藤整「若い詩人の肖像」原稿など
第２部 戦中・戦後（編集：曾根博義）
《太宰治とその周辺》
・太宰治「人間失格」原稿
・檀一雄「挽歌」詩稿
・織田作之助「俗臭」原稿など
太宰治肖像（最初の小説集『晩年』の口絵写真）
《戦中の詩的青春》
・堀田善衛、加藤道夫、中村真一郎書簡
・加藤道夫「なよたけ」原稿
・折口信夫『死者の書』
《戦後派の青春》
・椎名麟三「永遠なる序章」原稿
・野間宏、武田泰淳、島尾敏雄、三島由紀夫書簡
・『青年の環』（野間宏）、『永遠なる序章』（椎名麟三）、『贋学生』（島尾敏雄）、『仮面の告白』（三島由紀夫）の装幀原画など
第３部 現代（編集：黒井千次）
・原口統三「二十歳のエチュード」ノート
・吉本隆明初期詩稿
・石原慎太郎「太陽の季節」原稿
・中上健次「岬」原稿
・茨木のり子、新川和江初期代表作詩稿など