新資料から見る谷崎潤一郎―創作ノート、日記を中心にして
2017年4月1日(土)~6月10日(土)
―特別協力・中央公論新社 / 編集委員:紅野謙介・千葉俊二
没後50年記念・決定版『谷崎潤一郎全集』全26巻(中央公論新社)の刊行を記念し、谷崎潤一郎展を開催いたします。
初公開資料
創作ノート「松の木影」印画紙
戦 災で焼失したと考えられていた谷崎の創作ノート「松の木影」。2015年4月、その印画紙255枚が発見され、大きな話題を呼びました。本展では、この 「松の木影」をはじめとする創作ノートから、「春琴抄」以降の谷崎文学の成立過程、そして作品の背景にある膨大な世界をご紹介します。
晩年の日記
「思ふところがあつて古い日記帳を悉く焼き捨て」てしまったという谷崎。わずかに現存する昭和33(1958)年7月から38(1963)年2月までの代筆による日記を一部ご紹介します。
展示概要
第一部 生涯と作家的出発まで
創作メモ「幼少時代」
直筆回覧雑誌「学生倶楽部」第三号
鏑木清方画「少年」挿絵原画 ほか
第二部 単行本でたどる谷崎文学
原稿「異端者の悲しみ」/「青塚氏の話」/「乱菊物語」
草稿「人魚の嘆き」
書簡 土岐善麿宛/滝田樗陰宛/佐藤春夫宛
書入本『卍』 ほか
第三部 晩年の日記から
日記帖 昭和三十五年/三十八年
書簡 伊吹和子宛
第四部 創作ノートの小宇宙
創作ノート「松の木影」印画紙/「子」/「丑」/「潺湲亭」/「武州公秘話」/「七十九の春」/「シングレラン」/「覚醒剤に関する記述」
絶筆メモ
歌稿
書簡 松子夫人宛/嶋中雄作宛 ほか
- 「松の木影」印画紙
写真提供・中央公論新社
第五部 「細雪」と松子夫人
第六部 書簡に見る谷崎潤一郎
書簡 嶋中雄作宛/松子夫人宛/サイデンステッカー宛
色紙
丸谷才一原稿「批評家としての谷崎松子」 ほか
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川端康成 谷崎潤一郎宛弔辞
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山口晃「台所太平記」原画(『マンガアンソロジー 谷崎万華鏡』より)
図録 好評発売中
- 640円(当サイト内「Webショップ」からのほか、お電話からでもご注文いただけます)
電話 03-3468-4181
記念対談 「谷崎潤一郎 デンジャラスな作家」
桐野夏生(作家)×千葉俊二(早稲田大学教授・本展編集委員)
5月3日(水・祝)
14時開演(13時半開場、15時半終演予定)
開場:日本近代文学館 講堂
定員:80名
入場料:2,000円(会員 1800円)―展示観覧料を含む
お申し込み:☎03-3468-4181
※谷崎肖像写真 芦屋市谷崎潤一郎記念館提供
川端康成が見出した作家たち (同時開催・川端康成記念室)
川端康成は大正11年から昭和16年まで、約20年間にわたり「文芸時評」を書き続けました。
たとえ老大家に対してであっても、あるいは新進作家に対してであっても、公正無比な“批評眼”が揺れ動くことはありませんでした。また同時に、川端はその“批評眼”を通して岡本かの子、堀辰雄、三島由紀夫といった類まれなる新人の才能を発見してきました。
本展では、川端によって見出された作家たちとその交流を、原稿・書簡をはじめとする貴重な資料とともに紹介します。
第一部 交友
梶井基次郎 川端康成宛 書簡※
梶井基次郎『檸檬』初版本 ほか
第二部 発掘の名人
川端康成 藤沢桓夫宛 書簡 ほか
第三部 師事・兄事
三島由紀夫『花ざかりの森』初版本
「舞姫」創作メモ※ ほか
第四部 女性作家
川端康成 佐多稲子宛 書簡
中里恒子 川端康成宛 書簡※ ほか
(※印は川端康成記念会蔵)