漱石・芥川・太宰から現代作家まで―近代文学、再発見!


2017年9月23日(土)-11月25日(土) 

開館時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
観 覧 料 一般200円
休 館 日 日曜日・月曜日・第4木曜日(9/28、10/26)
*11/3金、11/23木 の祝日は開館
編集委員 安藤宏(東京大学教授 日本近代文学館理事)

 

日本近代文学館開館50周年記念展
漱石・芥川・太宰から現代作家まで―近代文学、再発見!

このたび、日本近代文学館の開館50周年を記念して特別展を開催することになりました。あらたな情報をお伝えするために、今回はこの4年間のうちに収蔵された、従来あまり存在の知られていなかった資料を選りすぐり、近代文学の魅力を「再発見」してみるねらいがあります。

中心となるのは夏目漱石、芥川龍之介、太宰治の三人。東新(ひがし・あらた)の資料からは、漱石の弟子たちの密接な交流が浮かび上がってきます。芥川の臨終の様子を記録した下島勲(しもじま・いさを)の日記や、太宰治の高校時代のノートなどはマスコミでも大きな話題になりました。漱石山房の交流から芥川龍之介へ、さらにその芥川の死に衝撃を受けた若き日の太宰治へ、という具合に、点在する資料が一本の線に繋がって見えてくる面白さを味わいたいものです。

この三人のほかにも、二葉亭四迷、坪内逍遙から小川国夫や丸谷才一などの現代作家に至るまで、激動の時代を戦い抜いてきた文学者の良心が、あらためて一つの系譜として浮かび上がってくることでしょう。

貴重な資料を寄贈して下さった関係各位に、心から御礼申し上げます。 

(編集委員 安藤宏)

 

●主な出品資料

第1部 漱石と弟子達――東新を中心に

夏目漱石 森田草平宛書簡(明治39年10月21日)

森田草平 東新宛書簡(明治43年8月27日)

東新 日記

岡本一平画 「漱石先生」色紙

第2部 晩年の芥川龍之介

芥川龍之介 「一塊の土」原稿

菊池寛 「芥川について」原稿

室生犀星 下島勲宛書簡(大正13年7月1日)

下島勲 日記

第3部 太宰治――作品以前の世界

太宰治 高校時代の教科書・ノート

太宰治 「善蔵を思ふ」構想メモ

太宰治 「惜別」メモ

太宰治 竹内好宛はがき(昭和20年2月27日)

第4部 直筆資料に見る近代文学史 

Ⅰ 明治大正期の文学

二葉亭四迷 ロシア国会入場証

泉鏡花 自作切抜帖

山川菊栄 馬場孤蝶宛書簡(大正12年9月24日)

谷崎潤一郎 「萩原君の印象」原稿

Ⅱ 昭和(戦前)の文学

高見順 石田竹太郎宛書簡(昭和8年3月13日)

直木三十五 「明暗三世相」原稿

中村草田男 「降る雪や明治は遠くなりにけり」色紙

細見綾子 「女身仏に春剥落のつづきをり」短冊

小山いと子 「指にある歯型」内閲校正刷

Ⅲ 昭和(戦後)の文学

坂口安吾 「あちらこちら命がけ」色紙

小川国夫 「光岳」原稿

竹内道之助 「風と共に去りぬ」改訳ノート

木島始 「かぜ」原稿

丸谷才一 「茶色い戦争ありました 思へば遠くきたもんだ」構想メモ

近年の芥川賞・直木賞受賞作 浄書原稿

◆図録 好評発売中

c-012

 

 

 

 

 

 

 

640円(税込)

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電話 03-3468-4181

 

同時開催 川端文学の名作Ⅰ同時開催・川端康成記念室)

多くの人々を浅草に引き寄せ、“カジノ・フォーリーブーム”を巻き起こした「浅草紅団」や、
幾度となく映画化され広く愛され続ける「伊豆の踊子」、さらには冒頭の一節があまりに有名な「雪国」など、萌芽というにはあまりに多くの名作が、早い段階で生み出されています。
それら初期の作品群を、貴重な資料を交えて紹介します。

川端康成 昭和7(1932)年頃

川端康成 昭和7(1932)年頃

 第一部     伊豆の踊子
 
川端康成 『伊豆の踊子』(金星社)
   今和次郎、吉田謙吉 『モデルノロヂオ:考現学』(春陽堂)
   梶井基次郎 川端康成宛はがき【昭和3年7月19日】※ ほか
 第二部 浅草紅団
 
川端康成 『浅草紅団』(先進社)
   高見順 「『浅草紅団』について」草稿 ほか
   第三部 雪国
 
川端康成  「雪国」創作メモ
   川端康成 「『雪国』の旅」原稿※ ほか
   第四部 禽獣
 
川端康成 「禽獣」原稿 ほか
   第五部 名人
 
川端康成  『呉清源棋談;名人』(文藝春秋社)ほか
                        (※印は川端康成記念会蔵)

併設の川端康成記念室にて開催。企画展の観覧料(200円)で同時にご覧いただけます。