東京近郷の文学
後期:9月15日、10月20日、11月17日
2018年度の講座「資料は語る」を4月より開講いたします。
所蔵資料を中心に扱う文学講座です。貴重資料の特別公開もあります。
本年度は「東京近郷の文学」をテーマとし、東京の郊外や近県にゆかりのある文学者・文学作品をとりあげ、文学館の所蔵する関連資料も特別公開します。2013年度・2016年度に開催し、ご好評いただいた〈資料で読む「東京文学誌」〉の続編です。
会場:日本近代文学館ホール
前期
我孫子時代の志賀直哉と『和解』
日時:4月21日(土) 14:00~15:30
講師:小林幸夫 上智大学教授
「父との和解が気持よく出来、その喜びと亢奮で」一気に書き上げたという『和解』は、我孫子時代の生活を題材にした代表作である。この小説の特質である複雑な構造に焦点をあてて、解読を試みる。
川端康成と鎌倉 ―『山の音』原稿
日時:5月19日(土) 14:00~15:30
講師:片山倫太郎 鶴見大学文学部教授
戦後の鎌倉の時事や風俗を盛り込んだ川端康成の代表作『山の音』(昭和24~29年連載)について、館所蔵の原稿(雑誌掲載4回分)の分析を交えながら、その創作の秘密に迫りたい。
樋口一葉と甲州 ―『ゆく雲』未定稿とともに
日時:6月9日(土) 14:00~15:30
講師:戸松泉 相模女子大学名誉教授
博文館の依頼を承けて二週間ほどで仕上げた『ゆく雲』。残簡に見る成稿への試行錯誤の跡と、山梨県大藤村への想像力とを検証しつつ、作品世界を読み解いてみよう。
後期
太宰治と伊豆 ―『斜陽』を中心に
日時:9月15日(土) 14:00~15:30
講師:安藤宏 東京大学教授
伊豆を舞台にした、太宰治の代表作、『斜陽』を取りあげます。小説の内容を読むことに力点を置きますので、あらかじめ読み返してきていただければ幸いです。
吉屋信子「安宅家の人々」―〈ピュア〉の奔流
日時:10月20日(土) 14:00~15:30
講師:小平麻衣子 慶応義塾大学教授
二組の夫婦の織りなす愛憎劇は、吉屋のお手のもの。現在の神奈川県大和市で営まれていた旧三菱財閥一族の農園をモデルにし、映画化、テレビドラマ化もされた戦後の衝撃作を読み解きます。
漱石の修善寺 ─「病に生き還ると共に、心に生き還った」地
日時:11月17日(土) 14:00~15:30
講師:長島裕子 早稲田大学文学学術院非常勤講師
修善寺は漱石の「大患」の地である。人事不省からの甦りを、漱石は「天幸」と記した。坂元雪鳥の「修善寺日記」、東新宛の多くの書簡から、漱石の修善寺をとらえていきたい。
受講料・申込方法
受講料
全期間(6回)10,300円(会員9,300円)
前期または後期5,200円(会員4,700円)
1回のみ2,100円(会員1,900円)
※チケット送料は当館が負担いたします。
申込方法
(現金書留)
便箋・メモ用紙等に住所・氏名・電話番号および受講期間(1回の場合は希望月も)を明記の上、受講料とともに、
〒153-0041 目黒区駒場4-3-55 日本近代文学館「資料は語る」係へお送り下さい。
(郵便振替)
通信欄に講座名「資料は語る」と受講期間(1回の場合は希望月も)を明記の上、下記の口座へ受講料をお振込み下さい。
口座番号:00140-0-47730 口座名:公益財団法人 日本近代文学館
※定員に達しない場合、当日券を販売いたします。
下記フォームから資料請求が可能です。講座チラシと郵便振替用紙をお届けいたします。